生命保険料控除の仕組みと計算方法について

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この記事をお読みの方の中には、生命保険料控除で自分の所得税・住民税の負担がどのくらい軽減されるのか知りたい、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、これから生命保険に加入する方向けに新制度(平成24年1月1日以後に契約した生命保険の保険料控除)での、生命保険料控除の仕組みや、控除額の計算方法などについて説明していきます。

ご自身の所得税・住民税の負担が、どのくらい軽減されるかを把握するご参考になれば幸いです。

1.生命保険料控除の仕組み

1-1.生命保険料控除とは?

生命保険料控除は、その年に契約者が支払った、生命保険料、介護保険料および個人年金保険料に応じて、一定の金額がその年の所得金額から差し引かれ、所得税や住民税の負担が軽減される制度のことを言います。

1-2.新制度とは?旧制度との変更点

平成22年税制改正により、生命保険料控除が改正されました。この改正により、平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る保険料をそれ以前に締結した保険契約等に係る保険料では生命保険料控除の取扱いが異なります。

改正前の制度を「旧制度」、改正後を「新制度」とし、変更となったポイントを説明します。

1-2-1.控除区分の変更

旧制度の控除区分は以下の通りです。

  • 一般生命保険料控除:生存または死亡に起因して支払う保険金、その他給付金に係る保険料、入院・通院などにともなう給付部分に係る保険料
  • 個人年金保険料控除:個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金に係る保険料

これが新制度で下記控除区分に変更となりました。

  • 一般生命保険料控除:生存または死亡に起因して支払う保険金、その他給付金に係る保険料
  • 介護医療保険料控除:入院・通院などにともなう給付部分に係る保険料
  • 個人年金保険料控除:個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金に係る保険料

1-2-2.控除上限額の変更

各控除区分の適用限度額の上限は以下のように変更になり、契約した日付により控除額が異なります。

■旧制度上限

  • 一般生命保険料控除:5万円
  • 個人年金保険料控除:5万円
  • 合計:10万円

■新制度上限

  • 一般生命保険料控除:4万円 
  • 介護医療保険料控除:4万円
  • 個人年金保険料控除:4万円
  • 合計:12万円 

2.実際の生命保険料控除による所得税・住民税の負担軽減効果は?

生命保険料控除によって、所得税や住民税の負担が軽減されます。

では、新制度が適用となる平成24年1月1日以後に契約した生命保険について、実際にどのくらいの負担軽減効果があるかみていきましょう。

以下では、

  • 2-1.所得税の負担軽減効果
  • 2-2.住民税の負担軽減効果

それぞれについて、事例を用いて、実際にいくらの税金負担軽減効果があるかについて説明します。

2-1.所得税の負担軽減効果

ここでは所得税の負担軽減効果について説明します。

所得税の負担軽減効果について説明する前に、まずは生命保険料控除額の計算方法について記載します。

控除額の計算方法は、先ほど「1-2-1.控除区分の変更」でご説明した新制度の3控除区分「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」とも全て同様です。

■新制度に基づく生命保険料控除額(一般、介護医療、年金区分それぞれに適用)

1

出典:国税庁「生命保険料控除」

2-1-1.一般生命保険料控除額

たとえば、死亡保険に加入(契約日=平成24年1月以後)し、保険料の支払額が年間120,000円(月額10,000円)である場合の控除額をみてみましょう。

この場合、年間の支払保険料が80,000円を超えているので、一般生命保険料控除額は「40,000円」になります。

2-1-2.介護医療保険料控除額

たとえば、医療保険に加入(契約日=平成24年1月以後)し、保険料の支払額が年間72,000円(月額6,000円)である場合の生命保険料控除額をみてみましょう。

この場合、年間の支払保険料が「40,000円超 80,000円以下」にあてはまるため

介護医療保険料控除額=72,000円☓1/4+20,000円=18,000円+20,000円=「38,000円」

となります。

2-1-3.個人年金保険料控除額

たとえば、生命保険料控除が適用になる個人年金保険に加入(契約日=平成24年1月以後)し、保険料の支払額が年間60,000円(月額5,000円)である場合の控除額をみてみましょう。

この場合、年間の支払保険料が「20,000円超 40,000円以下」にあてはまるため。

個人年金保険料控除額=60,000円☓1/4+20,000円=「35,000円」

となります。

2-1-4.所得税の負担軽減効果

では、2-1-1〜2-1-3の保険に加入している場合、どの位所得税負担が軽減されるのか、試算してみます。

まず、上記3つの保険に加入したケースでは、所得税の生命保険控除の合計は「40,000円+38,000円+35,000円=113,000円」となります。

この生命保険控除額が年間所得から差し引かれて、所得税額が算定されます。そのため、結果的に、生命保険控除額にその人の所得税率を乗じた金額が軽減額となります、例えば、年間所得が500万円の人で、生命保険料控除額が113,000円の場合、生命保険料控除113,000円×所得税率20%=22,600円の軽減となります。

なお、所得税の税率については以下の図の通りです。

スクリーンショット 2016-04-06 07.11.17

出典:国税庁「所得税の税率」

2-2.住民税の負担軽減効果

ここでは住民税の負担軽減効果について説明していきます。

住民税の負担軽減効果について説明する前に、まずは生命保険料控除額の計算方法について記載していきます。住民税の場合の生命保険料控除額は、下記の表の計算式にて算出します。

控除額の計算方法は、所得税と同様、新制度の3控除区分全て同じです。

■新制度に基づく生命保険料控除額(一般・介護医療・年金区分それぞれに適用)

図1

2-2-1.一般生命保険料控除額

たとえば、死亡保険に加入(契約日=平成24年1月以後)し、保険料の支払額が年間120,000円(月額10,000円)である場合、控除額は28,000円になります。

2-2-2.介護医療保険料控除額

たとえば、医療保険に加入(契約日=平成24年1月以後)し、保険料が年間72,000円(月額6,000円)である場合、控除額は28,000円になります。

2-2-3.個人年金保険料控除額

たとえば、個人年金保険に加入(契約日=平成24年1月以後)し、保険料が年間60,000円(月額5,000円)である場合、控除額は28,000円控除になります。

2-2-4.住民税の負担軽減効果

では、2-2-1〜2-2-3の保険に加入している場合、どの位住民税負担が軽減されるのか、試算してみます。

住民税の税率は、都道府県民税(税率4%)と市区町村民税(税率6%)で構成され、平成19年6月より一律10%となっています。

前述の3つ区分の生命保険料控除額を合計すると28,000円×3=84,000円となりますが、住民税の3つの区分を合計した適用限度額は70,000円です。

よって、住民税の生命保険控除の合計は「70,000円×10%=7,000円」となります。

なお、住民税は前年の所得に対して係る税金なので、例えば今年生命保険料を支払った場合、その住民税負担軽減効果は翌年支払う住民税に反映されます。

2-3.負担軽減につながった合計金額は?

上記計算より、保険料を年間252,000円払い込んだ場合、所得税と住民税を合わせて「113,000円+70,000円=183,000円」の所得控除を受けることができます。

その結果、前述のとおり所得税と住民税を合わせて「11,300円+7,000円=18,300円」分の負担が軽減されることになります。

まとめ

今回は生命保険料控除の計算方法について書きましたがいかがでしたでしょうか?生命保険には死亡保障に加えて今回説明したような保険料控除のメリットがあります。今回の内容が、生命保険をよりいっそう活用するためのご参考になれば幸いです。

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